こうしちゃいられないと思い、拾ってみると 生徒手帳だった。 「あのっ、」 それを持って前を歩く男の人に声をかけてみるけど 2人は話に夢中で気づいてない。 私の声、小さかったかな。 今度はちゃんと気づいて貰えるように、 生徒手帳を落とした人のバッグをちょっと引っ張ってみる。 「……は?」 急に引っ張られてびっくりしたんだろう。 低い声が届いて少しびっくりした。 「ごめんなさい! あのっ、これ落としましたよ!?」