「斎宮くーん?聞こえてる~?」



今度は横から手を振って、アピールをしてみる。



猫背気味の背は、こちらへ振り返る素振りがない。



もしかして、人と話すのが苦手なのかな……?


だから、ぼっち飯を……って、それは流石に失礼だよね。



私だって、ぼっち飯してる分際だし……アハハ。



「斎宮くん、お弁当美味しい?」


「……」



それでも私はめげずに話しかける。



が、やっぱり斎宮くんは何も言わない。



きっと斎宮くんはシャイボーイなんだね!


だから私と話してくれないんだ!うんうん、きっとそうだ!



とりあえず自分のメンタル保護のために、自分に都合のいいように解釈をしておく。



よし、今日のところは大人しく引き下がってあげよう。



友達っていうのは、積み重ねた時間によって得るものだからね。



さすがに昨日今日会った私なんかと、そりゃ友達になんてなれないよね~。



という訳で私は、この日から約一週間。

しつこく毎日斎宮くんに話しかけたのでした。