隣の席になったのもなにかの縁……!



見た目なんて私は気にしないよ!

まずは、ぼっち同士お友達になりましょう……!



ゴホンッとわざとらしく咳払いをし、声をワントーンあげて話しかける。



「初めまして、斎宮くん!私は、隣の席の、朝桐楓音って言います!隣の席同士、仲良くしてください!」


「……どうも」



顔だけ一瞬こちらへ向け、すぐさま直る。



……えっ、それだけ!?



私の熱い視線を無視して、再びお弁当を食べ始めていた。



むむむ……。

これは中々手強い相手かもしれない……!



でも、朝桐楓音は諦めませんよっ……!



絶対絶対斎宮くんと仲良くなってみせる……!



「ねえねえっ、斎宮くんの髪の毛って乾かすのどれくらいかかるの?」


「……」


「美容院っていつもどこ行ってる?」


「……」


「いっつもどんなシャンプー使ってるの?」


「……」



……あっれぇ、おかしいな。

私、完全に無視されてる……?



きっと髪の毛にこだわりがあると思って、髪の毛トークで盛り上がろうと思ったんだけど。