斎宮くんの学校への執念にちょっとだけ関心する。



「私が学校着いた時には、斎宮くん席でぐったりしてたから、私が保健室まで運んだんだよ?」



すると斎宮くんは「ふーん」と考えるような声をあげる。



……てことは、保健室での出来事は何にも覚えてないんだよね。



『ここにいて』



斎宮くんが私に言ってくれた言葉の意味を聞きたかったんだけど。



熱で朦朧としてたなら仕方ないね。

そもそも意味なんてないかもしれないんだし。



熱で弱ってて、無意識だったんだよね、きっと。



……なんか、ちょっぴり残念だな。なんでかな。



「迷惑かけて、悪い。それと……ありがと朝桐」


「いえいえ……って、ん?……もしや、今、ありがとって言いました…?」



私の聞き間違いじゃなければ、今、ありがとうって言いませんでした……!?



「……なにその間抜け面。俺だってお礼くらい言うよ」



まっ、間抜け顔…!?

そんな顔してないんだけどっ!?



反抗の意を唱えようとしたが、斎宮くんは何故かそっぽを向いていて。



僅かにみえる頬は、ほんのりと赤く染まっているようにも見えた。



……もしかして、照れてる?

って、そんなはずないよね、私の見間違いだよね。