斎宮くんの熱がうつったように、私の顔まで熱くなる。



「……分かった」



俯き伏目がちに、ゆっくりと頷いた。



私ってほんと、単純……。

自分で言うのもアレだけど、ほんとチョロいと思う…。



「じゃあ、必要なもの準備するから、ちょっと待ってて……!」


「……ん」



えーっと、熱があるときに必要なものは……。

汗を拭くタオルと、あと冷えピタと……。



頭の中で必死に考えながら、保健室の戸棚を漁る。



……保健の先生にはあとでちゃんと謝っておこう。



一通り必要そうなものを揃え、ベッドで横になる斎宮くんの元へ戻る。



そしてベッドを仕切るカーテンで、この空間を隠した。



「斎宮くん、ここには私しかいないから。……メガネ外すね」


「……」



……なにも言わないけど、いいよね。



緊張しながら、ゆっくりとメガネを外す。



そして、露わになる斎宮くんの素顔。



素顔が見えるようになって余計に伝わる。

斎宮くんがとても辛そうにしていることが。