「....」

「....」



私の腕を掴んだまま、まるで時が止まったよう。

それは彼も私も。



今聞こえているのは保健室内の時計のカチカチという音と1時間目から体育のクラスの校庭からの遠い声だけ。

だけどチャイムがなり、現実世界に引き戻される。


「わ、悪い」

「あ、いえ」



彼は我に返ったのかパッと私の腕を解放させた。

さっきまで感じなかった腕のじんじんとする痛みをプレゼントして。