「いただきます」
「どうぞ」
紗那は奏介の作ってくれたトマトパスタを一口食べた。
「おいしい」
「よかった」
「本当においしい」
「よかった」
「奏介・・・」
「ん?」
「おいしい」

疲れ果てている体にじんわりしみる温かさに紗那の瞳から自然と涙が流れた。


奏介はその涙を見ないように厨房で片づけを始める。


紗那は涙を拭いながらトマトパスタを食べた。