「・・・奏介?」
心配そうに自分を見つめる視線に、紗那が目を開けて、奏介の頬に触れた。
「おかえり」
「ただいま」
二人は見つめ合い微笑みあう。

紗那の指には結婚指輪が輝いている。
奏介は紗那の手を握り、結婚指輪をくるくると触れた。

奏介は仕事柄結婚指輪はつけない。でも、いつも首からチェーンにつけて指輪を持っていて,
仕事以外の時間は指につけていた。

「あったかいね。」
「だな」

ウッドデッキにはリクライニングチェアがふたつ並んでいる。
奏介は紗那の唇に軽く触れる程度のキスをしてからもうひとつの椅子に座った。