奏介は朝5時には市場で食材の買い出しをはじめ、夜は深夜近くにに帰宅する毎日を送っている。
レストランはランチの時間が終わると一度店を閉めて、夕方から再び店を開ける。奏介はその店を閉めている間に帰宅して少し休んでから再びレストランへ戻っていた。

紗那は奏介と同じサイクルで寝て、起きてしまうため、一度は寝室を分けることも考えた二人。でも紗那は奏介がいないと眠ることができず、結局一緒のサイクルで生活をしていた。
だから、日中の温かい日はウッドデッキでこうして紗那は眠ってしまう。

この日も奏介はレストランの中休みにあたる時間に自宅へ戻っていた。

リビングには簡単に奏介が食べられるように紗那がパウンドケーキを焼いて置かれていた。
横には『お疲れ様』とメモが書かれている。絵が得意な紗那らしく、そのメモにはかわいらしい猫の絵が描かれていた。

奏介は紗那の頬を撫でる。
きっと夕べもほとんど眠ることができていなかったんだろう・・・。
紗那の目の下には大きなクマができていた。