奏介は紗那のもう一人の主治医とも話をした。
紗那がパニック障害と診断をした医師だ。

紗那の症状はホルモン治療がかなり大きく影響をしていたが、それでも妊娠に向けての治療を再び始めれば症状が再び現れる可能性が高まる。

定期的に奏介と紗那は心療内科にも通うことに決めた。



紗那は徐々に仕事を再開する準備も始めている。
はじめは新しく場所を借りて仕事をしようとしていた紗那に、奏介は【WHITE】の一角で仕事をすることを提案した。

そのほうが紗那を近くで支えられる。

紗那は奏介の申し出に、喜んで応じた。そしてもう一度デザインに関する勉強をしたり、今の流行を取り入れるために雑誌を読んだり、模型を作る練習をしていた。