「今日で最後ですね。頑張りましょう」

「はい!!」

岡田さんに元気よく返事をし、私たちはそれぞれ準備に入った。



「お誕生日、おめでとうございます!」

撮影が始まり、私たちは用意したクラッカーを鳴らす。舞い落ちた紙吹雪に、利用者さんは「これは何?」と首を傾げていた。

お誕生日会では、その月に誕生日の人を一斉にお祝いする。部屋は綺麗に飾り付けられ、主役の利用者さんたちには花束がプレゼントされた。

「さて、お待ちかねのケーキですよ〜」

岡田さんがそう言い、大きなホールのケーキを運んでくる。利用者さんたちの喜ぶ顔を見て、私はホッとした。

洗濯バサミすくいやボール渡しなど、レクリエーションを楽しんだ後、岡田さんが私たちに訊ねた。

「須藤さんたち、一生懸命働いてくれているけど、福祉の世界で働いていてどう思う?」

私たちは顔を見合わせる。誰がどんなことを言うのかはわからない。でも、自分の思いを素直に言うの。まず、詩織が言った。