詩織に続いてチェリーも手を挙げる。私は賛成してくれる人がいることに嬉しさを感じた。

「でも、ちょっと待って」

福祉コースの教室にいた杉浦先生が緊張したような声をかける。私たちは一斉に杉浦先生を見つめた。

「それを文化祭の出し物にすると決めたら、もう絶対に変更できないよ?この出し物に関わるのは君たちだけじゃないからね」

そう、関わるのは私たちだけじゃない。だからこそ、中途半端な気持ちで決めるわけにはいかないのだ。

「うまくいかないかもしれないことはわかっています。でも、やらせてください」

海斗が真剣な目で杉浦先生を見つめる。私たちも頭を下げ、「お願いします!!」と声を揃えて言った。どうしてもやりたい!

「……わかりました。先生が協力してくださるグループホームを探してみます」

杉浦先生がそう言い、私たちを見つめる。私たちは「ありがとうございます!!」と笑った。

「いい映画を撮ろうぜ!!」

太陽の言葉に、私たちは大きく頷き準備を始めた。