「以前は段差など物的環境に対する考え方だったんだけど、最近は文化など広い意味で用いられるようになっているんだ」

「あっ!これのこと?」

海斗が教科書を指差す。そこには、物理的バリア、制度のバリア、文化・情報のバリア、そして意識のバリアと書かれていた。

「そう!それだよ」

杉浦先生が笑う。私も教科書をめくった。

「物理的バリアは、建造物や都市環境に関わる障壁のこと。急な段差やスロープのことですね」と颯。

「制度のバリアは、障害のある人に対して障害を理由に条件などが設けられること。就職や資格の取得に関して制限を受けること」と結衣。

「文化・情報のバリアは、情報の提供手段が受け手のニーズに合っていない時に起きる。耳が聞こえなければ手話、目が見えなければ点字。それがないことにより、文化や情報に親しむ機会が制限されること」と太陽。

「意識のバリアは、おじいちゃんたちや障害のある人に対する無関心や無知による偏見や差別のこと。意識のバリアを解消しないと、本当のバリアフリーにはならない」とチェリー。話してた言語って日本語だよね?