「そう言えば、ゴールデンウィーク明けってどんな授業をするか、伊藤先生から聞いてる?」

「いえ、何も聞いてません」

私が答えると、杉浦先生は「ユニバーサルデザインとバリアフリーについてするらしいよ」と言った。

その言葉は聞いたことがある。小学生の時に教えてもらった。

「あっ!だったら、先に俺たちで勉強して伊藤先生を驚かそうぜ」

太陽がそう言うと、チェリーが「面白そうだね」とはしゃぐ。

「いい予習になる」と颯たちも学ぶ気満々だ。私に拒否権はない。

私たちは、杉浦先生にユニバーサルデザインとバリアフリーについて教えてもらうことになった。



杉浦先生は椅子に座り、福祉の教科書を開く。特別授業が始まるのを、私以外は目を輝かせながら待っていた。

「バリアフリーとユニバーサルデザインは、事業や整備がよく似ているんだ」

しかし、作られたきっかけなどは違うんだよ、と杉浦先生は言って話し始める。

バリアフリーは、障害のある人や高齢者のために作られたもの。社会生活をしていくうえで障壁(バリア)となるものを取り除くことを意味する。