いつもなら、私のせいにされるところ。
「野崎お前がやったのか?」
新しくでてきた名前に先生も戸惑っている
「やってません。」
私の右の列の2個前の席にいる野崎さんが答える
「とりあえず、ホームルームが終わったら生徒指導室に来なさい」
そう言ってホームルームは終わった。
ホームルームが終わっても、愛梨はおろか、他のクラスメイトさえも嫌がらせはしてこないし、ミイラとバカにする者もいない。
愛梨たちはというと、野崎さんのかばんにガラスの破片を仕込んでいた。
やっぱり。
いつも大人しい野崎さんがそんなことするはずない。
でも、どうして?
先生の声を右から左に聞き流してただけで、あっという間に1時間目が終わった。
『ゆうかー?』
教室の前のドアからのぞく海音
急いで駆け寄る。
振り返らなくても分かるほど注がれる様々な視線。