ん…眩しい…。

小窓から入って来る光と鳥の鳴き声。


R.R.R…

それに混じる…目覚ましの音。



体を起こそうとして、腕が異常に痺れてる事に気が付いた。

…というか、起き上がれない。

少し目線を下に向けたらそこには可愛い寝顔が一つ。


『好き…です。』


昨夜、そう言って頬を包み込んだ私に瞳を揺らして微笑んだ瑞希様。私の胸元に顔を埋めて、私ごと体をベッドへ沈めた。


「もう少ししたら帰るから、ちょっとこのままでいさせて」と仰って………


……気が付いたら朝。



相変わらず爽やかな小鳥達のさえずりとは裏腹に、私の血の気はどんどん引いて行く。


またやってしまった。


ご主人様を自分のベッドに寝かすとか…これも薮さんに見つかったらクビなのでは。

「あ、あの…瑞稀様。お、起きてください。」


少し体を離す様に肩を押したら、背中に回されてる腕に力が籠る。


「まだ寝たい。」
「あ、あの…そうしましたら自室に戻られてきちんと体をお休めになられては。」
「…オヤスミナサイ。」


ど、どうしよう…
お、お願いだから、起きて、そして、お部屋に戻って下さい…。

再び、肩を少し押す。


「わ、私、朝の掃除に…。」
「ああ…」


それに反応して、けだるそうに少し離れる瑞稀様。
そのままおでこ同士をコツンとぶつけられて、眠そうなトロンとした顔が目の前に現れた。


こ、これは…もしや…


「主人命令。今日は掃除は休み。」

やっぱり!
だから、そんな命令しないでってば!


前回同様、慌てふためく私に、瑞稀様は目を細め優しく笑う。


「言ってるでしょ?俺のだもん。」


そんな囁きと共に柔らかいキスをくださった。