「ふふっ…なんか不思議だね」
「えっ…」
笑った?
「そんな風に思ってくれてたなんて…なんか、良かった…聞けて良かったなぁ」
「早瀬…無理してないか?」
「えっ?うん…全然、嬉しい気持ちの方が大きいかも、なんていうか…悩んでた頃の私を救ってくれたような気分…?」
「そっか…?良かった」
「うん、ありがとう…小林くん」
「いや…お礼を言われるようなことはしてないよ」
「ふふっ…そんなことないよ、小林くんと会ってなかったら…私、どうなってただろう…」
そう言った早瀬は、少し切なげな表情をしていた。
俺の手に、ギュッと力が入る。
抱きしめてしまいたい……。
でも、それは早瀬を困らせるだけだ。
そう思って、俺は引き出物に手を伸ばした。