「あ…とりあえず中入る?」
「いや…すぐ帰るから、でも玄関先だけ、ドア開けっぱなしは寒いだろうし」
「うん…分かった、どうぞ」
「サンキュ」
そう言って早瀬はドアをさらに開いて、俺を玄関先に入れてくれた。
「引き出物、一旦フローリングの上に置いたらいいよ」
「おぅ、サンキュ」
早瀬の言葉に甘えて、フローリングの上に一旦引き出物を置き、俺は自然と早瀬の部屋を見渡してしまった。
ピンクとか、オレンジとか、やっぱり女子の部屋だな…。
そして、部屋着の早瀬もなんか緩くて可愛いし…。
少し、目のやり場に困った。
「小林くん…?」
「あ…ごめん」
「もしかして、酔ってる?」
「えっ?いや…そんなに飲んでないよ、早瀬ほど酒癖は悪くないよっ」
「あのねー…あの日は異例で…いつもあんなんじゃないって言ったじゃん」
「はいはい、悪かったよ」
「もうー…」
「ははっ」
こうやって、早瀬と何でもないことで笑い合うことが好きだ…。