「うん…覚えてるよな?」
「当たり前だろっ、俺の初めての彼女だったんだからな」
「…だよな?」
「知ってるって…小林、早瀬とずっと連絡取ってたのか?」
「いや…偶然生活範囲が同じで、電車の中で会った」
「マジか?そんなことってあるんだなぁー…」
「うん、俺も驚いたよ」
「だよな?そんな偶然普通起きないよっ」
「…かもな?それから…早瀬とは今友達で、それで今日のことも…結婚するっていうのも、同級生の間から漏れてて知ってたみたいだし…」
「そっか…?そうなんだ、友達か…あー…なんか懐かしいなっ、早瀬は元気?」
「うん…まぁ元気だよ」
とても最近まで、古田のこと引きづってたなんて…言えるわけないよな。
そして、俺はグラスに入っていたビールを飲み干した。
「それで、古田のおめでたい日にこんなこと言うの、おまえにはもう関係ないかもしれないけど、どうしても俺の中で一区切りつけたかったんだ…」
「どういうことだよ…?」
「友達って言ったけど、俺…早瀬のことが好きなんだっ……」