「俺に顔合わせづらそうなの、分かりやすすぎっ」
「えっ…」
バレてた…?
「だって…あんなカッコ悪いところ見られたし…人前で泣いちゃったし…」
「まだ言ってんのかよ?スッキリしたんじゃねーのかよ」
「うん…それはそうだけど…」
「じゃぁー…そんな早瀬にご褒美やろうっ」
「えっ?ご褒美!?」
すると小林くんは、鞄の中から何かのチケットらしき物を出した。
「これっ、行く?」
「え…?」
私は差し出されたチケットを見る。
「えっ!?これっ、こないだできたばかりの港町にある水族館のチケット!?」
「そう、先輩がさ、営業先の人からもらったらしいんだけど、今行く女いないからやるって言われた」
「あー…あの先輩?」
「そう、いろいろ語る先輩なくせに、今フリーなんだっ」
「ふふっ…そうなんだ、でもご褒美って…私なにもしてないけど?むしろ迷惑かけてるような…」