そして、そんな日々は淡い想い出になりつつ、毎日が過ぎて行った。
長くは続かなかったけど…大学の時には、彼女もできた。
そうして社会人一年目になった。
ーー22の春。
古田から何年かぶりに連絡がきたと思ったら、それは結婚するとの報告だった。
相手は…俺の知らない人だった。
もう、大人になっていたし、あの頃のことは聞けずに、たわいもない話をして電話を切った。
それから少しして、同じ通勤電車で早瀬を初めて見かけた。
あの日と同じように、心臓がドクン…と鳴った。
この再会は、何の意味を持つんだろうか……。