そう言うと、小林くんは星空が見え出した夜空に目をやった。
「……古田なんだ、俺のきっかけって」
「え……?古田?」
「そう、古田が二年の頃ぐらいから、早瀬のこと”可愛い”だの”気になる”だの言ってた」
「古田が…」
そんなこと、古田には聞けなかった。
初めて聞いた…。
「友達が気になってる子を、俺も気づいたら…目で追ってた……最低だろ?」
「そんな……最低なんかじゃ…」
なんて言ったらいいのか、分からない…。
小林くんにとっては、聞かれたくなかったかな…。
「でも、きっかけはそうだったけど、三年でクラス一緒になった時、さらに好きだなって思ったのは本当っ」
「え…?」
「早瀬は頭いいのに運動音痴なところとか、クラスの女子誰とでも話すところとか、まぁー…見た目可愛いのに、きどってないところとか…」
「……っ」
なんか嬉しいけど、聞いてて恥ずかしくなってきた…。
「おいっ、ちゃんと聞けよ、そっちが聞いたんだろ?」
「そうなんだけど、段々恥ずかしくなってきて…」
「こっちの方が恥ずかしいわっ、過去の告白してるようなもんだからなっ」