ドキドキ………

こんなに緊張するなんて……。


私の歩く音だけが廊下に響いた。

まるで心臓の音とリンクするようだった。



「ふー。」

ちらっと教室を覗くと、机に伏せている
司君を見つけた。

トントンっ

ばっと司くんが顔をあげた。

「……先輩っなんで…」

「つ、司くん。この間はごめんね。
これ」

手紙を渡した。
これで、司くんにはもう会わない。


ほんとにいいの?


好きなのに……、他の人と笑ってる司くんを見ていられるの?



「先輩?なんですか?」


「手紙。この前のこと謝ろうと思って書いたの」



それだけ言って教室をでた。