…………は?
それまで騒がしかった店内が静寂に包まれた。
…えーと
「今なんて…」
「だから紗英、俺とキスして?」
聞き間違えじゃなかったぁぁぁ!!!
「え、え、どうしたの京星くん…もしかしてこれお酒!?酔ってる!?」
京星くんの目の前に置いてあるコーラのグラスに疑いの視線を向けたけど、どうやら違うらしく
「酔ってねーよ」
大真面目な顔でそう返される。
「え、じゃ、何でこんなこと…!?」
「俺が紗英とキスしたいから。ダメ?」
みんなザワザワざわめいて、こっちに注目している。
近藤はあんぐり口を開けたまま固まっていた。
「き、京星くん、ちょっと、おちつ…」
「俺はマジメに言ってんだけど」
京星くんが手に持った「キング」と書かれた紙を、ヒラヒラさせた。
「王様の命令は絶対、だろ?」