それからもゲームは続いた。
いつ自分が当たるのかと常にハラハラだ。
「じゃー…20番の人、好きな異性のタイプを教えてくださーい!」
今回王様になった女子が言った。
今回は比較的易しめなお題。
誰だろう、と思っていたら
「あ、俺だ」
穏やかに名乗りでるハヅキ。
また、ハヅキ…!
「えっハヅキ!?聞きたい聞きたいー!」
耳をそばだてるみんな(特に女子)。
ハヅキは頬杖をついたまま、うーん、としばらく考えた後
「…優しくてカワイー子、かな」
そんな無難な答えを言った。
「つまり、みんな?」
「キャーッッ!!!」
そんなサービス発言まで。
盛り上がる女子たちに、ハヅキはふっと声もなく笑った。
優しくてかわいい子…ね。
意外とフツーの答え。
まぁ、そうだよね。
ハヅキだってフツーの、ひとりの男子なんだし。