うちの学校は下校時間に厳しい。
校門の所に先生が立っていて、時間を過ぎるとメチャクチャ怒られる。急がないと…!
慌ててカバンにノートやら筆記用具を詰めて立ち上がった、そのタイミングで
「送ってあげる」
パシッ…
ハヅキに左手をつかまれた。
隣を見ると微笑んでいるハヅキ。
「いや、いいよ」
「夜道に仮にも女の子ひとり、危ないよ?」
おい、仮にもってなんだ。
「大じょ…っわ!」
大丈夫!と断ろうとした瞬間、今度は反対側から右手を掴まれ思い切り引っ張られた。
左手から離れる、ハヅキの手。
「心配すんな」
トン、と引き寄せられた体は、固い胸板に受け止められた。
「俺が送ってく」