「は、ハヅキ!わたし言ったよね?き、京星くんと付き合うから別れてって…!」
ぐ、と私を抱きしめるハヅキの力が強まった。
「はは。そーだね。でもさぁちゃんが勝手にそう言っただけで、俺は承諾してないよ?」
「なにそれっ…!」
「俺とキョーセーくん二股かけるなんて。さぁちゃんってワルい女だね?」
「はぁ!?」
なんとかハヅキの腕の中から逃れようとするけど、それを許さないと言わんばかりに羽交い締めにしてくるハヅキ。
腕の力が強すぎて苦しいっ…!
「はなせよ」
突然立ち上がった京星くんが不機嫌そうにハヅキを睨んだ。
「あれ?」
ハヅキが頭の上で首をかしげた気配。
「もしかして怒ってる?もしかしてキョーセーくん、さぁちゃんに本気になっちゃった?
ねぇ。ニセモノの彼氏くん?」
…え。ちょっと待って。
バレてたの!?