「わっ」




ハヅキの反対側の手が私の後頭部にまわって、思い切り引き寄せられた。



すぐ目の前に、ハヅキの整った顔。





隣から京星くんの視線を感じる。




離れたいけど、力が強くて離れられない。




「な、何すんのっ…!?」




あと数センチで唇が触れてしまいそうな距離。



ハヅキの薄い瞳の中に、私がいるのがはっきりわかる。





「…そう、これ」





ハヅキがその瞳を満足そうに細めた。





「さぁちゃんはずっと、俺だけ見ててよ?」



「…っ、何言ってんの!?はなして!」



「むりー」







「おい」





京星くんの抑揚のない低い声。





「勉強中じゃないのかよ、先生」