ドキドキいう鼓動にあぁ、私って単純かも知れないと自分に呆れながらこの人の事もっと知りたいと思うようになった
少し公園で休んでから倉庫に戻るため帰り道を二人並んで歩いた
行きは私の後ろから陣がついていくような感じだけど今はちゃんと横に並んで歩いてくれてる
これは…、大分前進だよね。と心の中で細く笑った
倉庫の入り口に着くと遅かったね。買い物ありがとうと美玲が待ち構えていた
私は美玲に買い物袋を渡すとそのまま面子たちと遊ぼうかなとそちらの方へと方向転換した
「咲。お前はこっち」
私の手を掴んで幹部室に連れてきた陣。その様子を見て美玲は驚きを隠せないで居た
「え?え!いつから、名前呼ぶようになったの?!」
興奮気味の美玲を置いて二人で幹部室に上がる
「おー陣、咲、お帰り……、え」
幹部室に居た伶が声を掛けて私の手を陣が掴んでる事に驚いている
『ただいま』
そんな視線に気づかないふりして挨拶を返した
「咲、こっち座って」
陣は陣で買い物に行く前とは別人のように私に話しかける
遅れて入って来た美玲が困惑していたが嬉しそうに私達を見ていた
「これで、問題も解決したね、伶」
「みたいだな。」
そんな会話を聞き流しながら陣が私に話す内容をずっと聞いていた
ここから先、伶×愛美編です。
※伶のキャラ崩壊気味なのでキャラ崩壊が無理な方はこの先あまり読まない事おすすめいたします。
リクエストや感想を多くいただいたので短編として書かせていただきました
これは数年前に遡る
いつもは蝶華でペアを決めてパトロールするが今日は自主的に最近荒れてるという噂を聞いた為様子を見がてらパトロールする事にしていた。
表通りは大して変わらない雰囲気だった為裏路地に入るとさっきまでの賑やかさは無くなり怒鳴り声、バチンという音
…やっぱりここの地域は治安が最悪だなと思いながらも音の現況を探す
辿り着くとごちゃごちゃ言ってる男たち
『お前ら、ここをどこだと思ってんだよ』
「あ?誰だよ兄ちゃん、てめぇには関係ねぇだろうが!!」
っち、うるせぇ
『…黙れよ。』
弱めるのも忘れて殺気を出しまくる
「な、なんだよ」
『黙れよ。って言ってんだよ。聞こえなかったか?』
ひぃっと情けない声をあげる男たち
『…てめぇらは何してたんだ?あ?』
殺気垂れ流しのまま睨めばまたひぃっ男が腰を抜かして下がる。
まあ、大体状況見りゃ分かる。強姦しようとしてたんだろうな…。
女は尋常じゃないぐらい震えてて可哀想になるほどだ…。まぁ、女の顔は裏路地が暗いせいで全くわからないが。
『っち…』
「お、おい、こいつ、蝶華の…」
「ま、マジかよ、に、逃げるぞ」
『逃がすと思ってんのか、よっと』
1番最初に逃げようとしたやつを殴り走りだそうとしたやつの足を払って雄叫び上げながら殴り掛かって来た奴を回し蹴りした
男達は伸びていて1人足払いした奴は仲間を置いてもう一度逃げようとしていた為一発重いやつを入れといた。
一瞬で裏路地は元の静けさを取り戻す
『…ふぅ』
ガタガタ震える女を見ると服は破られ下着姿で座り込んでいた
足に力が入らないのか、立とうととして何回も失敗している
『…おい、大丈夫か?』
さっき、男達に向けていたもので無く優しい声をなるべく出し女に手を差し出す
「……、っ」
だが、中々手を取らない女。
まぁ、そうだよな。さっきまで襲われてたんだから。
取り敢えず自分が来てたパーカーを脱ぎ女に着せる
下着姿では寒いし、このまま帰す訳にもいかないし。
「……ぁ」
震えた小さい声が聞こえるが震えたままの女
『なんも言わなくていい。落ち着くまでここに居るから。な?』
声が出ないらしい女は俺の服の裾を震える手でちょこんと掴んだ
何十分そこにいたのかは分からない。
「…あの、」
女の方から声を掛けられはっとした
「…ありがとうございました」
『別に。もう平気か?』
「…はい」
『そうか、良かった。危ないから家まで送ってやる。』
「…い、いえ、大丈夫です…。」
『…大丈夫じゃないだろ。折角助けたのに同じ目にもう一度遭われても困んだよ。素直に甘えろ。』
「あ、ありがとうございます。よろしくお願いします…。」
女は声は出るようになったらしいが足はまだ震えて居る
『それじゃあ、歩けねぇだろ。乗れ』
「…す、すみません…。」
おずおずと俺の背中に乗った女。
裏路地から抜け女が言う道順に沿って女を送る
公園に差し掛かった時女がここで大丈夫と言って降ろしてと言われた
『歩けるか?』
女を降ろした時始めて女の顔を見た
泣いて赤くなった目すっとした鼻筋、桜色こふっくらとした唇、少しウェーブがかったブラウンの髪
うわ、可愛い…。
普段、美玲を見慣れている為街を歩いてても余程の事がない限り可愛いと思いない俺が可愛いと思うんだから相当だと思う。
「は、はい。お世話かけてしまってすみません…。あの、良かったら名前教えて頂けませんか…?お礼をしたいんです」
『…礼なんか要らねぇよ』
「いや、でも、最後までご迷惑おかけしたのでそういう訳にもいきません。」
さっきまであんだけ震えてた女とは思えない程強い意志にちょっと驚きつつ