「ほんと、すいません、、。」



さっきからそれしか言わない彼に



「大丈夫ですよ、ワタナベ、、セマ、、?」



最後に拾った英語のプリントに書かれた名前を読み上げてみるも、下の名前が読めず悩んでいると




「サギリです。狭い霧って書いてサギリって読むんですよ。」

 


と私の現状を先読みして答えてくれた。




「...へぇ。7割正解って感じだね。」


「え?」



私の声に反応して振り返るった彼に
なんでもないと言いながらプリントを彼に渡して


「図書室の使用は6時までですよ、渡辺狭霧君。今度から気をつけましょうね。」


そうお節介を焼くと
気に入らなかったのか何なのか分からないけど



「あんたの名前は?」


と尋ねられたから
一ノ瀬皐ですと自己紹介をしたら





「覚えときます。」






と、一言を吐き捨てながら
荷物を持って彼は図書室を出て行った。