「皐さん...だよね?」



なんで君がそこに立っているのか
杉田はどこに逃げたか
奴とはどういう関係なのか

聞きたい事は山程あるけど
それを噛み殺して彼女に話しかけた。



「........狭霧く..ん?...」



さっきまで怖かったのか
下ばっかり向いていた彼女が
やっと顔を上げて俺を認識した。




「何やってんすか、こんなとこで。」




「いや、私が聞きたいんだけど。」





まぁ、確かにそうだよな。と思いながら
こちらの事情を説明すると



「杉田さんとは付き合ってたけど
別れたし、私のとこには来てないよ」



落ち着いて淡々と話す彼女を見ていたら
あの雨の日を思い出す。



杉田の行方がわかるかもと友達に連絡をとって、協力しようとしてくれる彼女に


「変わってないね、皐さん」



そう声をかけた。