本心だった。



さ合理的に考えたほうが良いなど言って心に嘘をつくことが慣れていたはずなのに、



あの瞬間
ただ心に思った事

頭に浮かんだ言葉を
躊躇もせずに発していた。



「え?、、逃げるって、、。
どこにだよ。」



急に突拍子もない事を言い出した私に、呆れながらも少し笑って話に付き合ってくれた。



「そうだねぇ、狭霧君はどこがいい?」





「俺?、ハワ...ハワイかな。」


「まぁ現実的に考えればアジア圏だよね」




彼のハワイをかき消すかのように
被せて発言すると
皐さんは夢がないねなんて文句を言いながら笑った。


「ふ...、
ヤクザ、ほんと向いてるよ皐さん。はは...」




いい笑顔だった。
何か吹っ切れたかのような。


屈託のない、日の光の下が似合いそうな。



まるでひまわりのように暖かい。