もう何も言えなかった。 なんて言ってあげればいいのかわならなかった。 私が今まで見たことのない極道の狭霧君を見せつけられて、私はどうすることもできなかった。 黙り込む私に少し寂しそうな目をして 小さく消え入りそうな声ですいませんと呟いて 彼は私の前から去って行った。 そうして彼は姿を消した。 学校からも家からも