...蓮の話で聞く限りは狭霧君はクズのようだ。
まぁ、世の中の人間にクズというのはいるものだ。


だけど、今日の放課後私が会った狭霧君は
決してクズだとは思わない。





狭霧君はクズと言うものに
なるべくしてなったのか、


ならざるをえなかったのか。




蓮の宿題を甘く採点しても5割程度のデキにため息をつく。



「どんな感じ?」


さも、完璧だとでも言うような表情で
私を見てくる蓮に



「クズの方が優秀かもしれないね。」



と、言いながら間違えている部分に印をつけて渡すと



私の言葉は聞こえてなかったのか
自分の想定外の不出来具合に驚いて
驚嘆しながら宿題をやり直す蓮を横目に
私も自分の勉強に取りかかった。


英単語を覚えこむのと同時に
狭霧君のことも頭の片隅に記憶しながら...。