「お待たせ」



「あっ…律くん…」



「何見てんの?」



いつの間にか律くんが戻って来ていて、窓の外を眺めていた私を見て不思議そうに首を傾げる。



ダボッとした黒のパーカーがよく似合っている。



「外、風強いなって。私、髪ボサボサじゃないかなぁ…」



髪を整え触りながら笑ってみる。



「全然。かわいいよ」



え…。



ええっ!?



「だからさ、勉強するとか言わずに。楽しい話だけして帰れば?」



あ…ああっ、そういうこと…。



勉強したくないから、私を動揺させて気を逸らすためにそう言ったんだ?



ドキドキするよ…。