このままだと、ぶつからない!?



その時トントンと壁を軽く叩く音がして、そちらの方を見ると部屋の入口に如月さんが立っていた。



「律、ちゃんと手順を踏むように。本能のままに動くと嫌われるよ」



えっ?



「見てんなよなぁ」



律くんは笑みを含みながら立ち上がり、そのまま部屋を出て行こうとする。



すると如月さんが律くんの肩に手を置く。



「乃愛ちゃんの話相手、俺がしてもいいんだ?」



「着替えてくんの。すぐ戻るから兄貴はどっかに行けよ」



ペシッと如月さんの手を払い、律くんは他の部屋へ行ってしまった。



「すぐ戻るって。このまま話してると怒られそうだから向こうにいるよ。乃愛ちゃんはゆっくりしてて」



爽やかな笑顔を見せ、如月さんも部屋を出て行った。