た彼女の手に引かれるように、気づいた時には柵の内側に戻ってしまっていた。
 彼女は自分のことを竹崎綾香と名乗った。当然彼女は俺の名前を聞いてきたので、「タケル」とだけ名乗った。
「タケルくんは何で飛ぼうとしたの。もしかして鳥にでも憧れてる?」
と彼女は無邪気な笑顔で聞いてきた。
「鳥になりたくてこんな人の来ない薄気味悪いところで練習しようと思う?」