1段また1段と上り屋上へと出た。肌に当たる風がとても気持ちよく、俺の旅立ちを祝福してくれているみたいだ。俺はすでに屋上にある柵を乗り越えており、後は1歩踏み出すだけだ。しかし、柵を乗り越えるまでは良かったのだが、8階建ての建物の屋上ということもあり、その高さにビビってしまった。ここまできたらもう後戻りはできないと覚悟を決めた。そして、最後の1歩を踏み出そうとしたまさにその時
「人は空を飛べないよ」