俗に言うところの遺書だ。当然学校でいじめられていたわけでも、親から虐待を受けていた訳でもない。ただ人生に飽きたのだ。何も無い人生が嫌になったのだ。
2時間ほど自分が暮らしてきた街を歩き続けた。ただ、歩き続けたのではない。これまで過ごしてきた街並みを1つずつ見て回った。要は最後の思い出作りだ。やはりそんなことでは、俺の心が満たされることは無かった。いやそれ以前に、満たしてくれるものがこの街にはないのだ。この