名前や声は夏休みのあの日、出会った彼女で間違いない。だが、風貌はまるで別人のように変わり果てていた。長く綺麗だった黒髪はすっかり短くなっており、色も少し茶色がかっていた。白く綺麗だった肌は、日焼けをして、すっかり色黒くなっていた。しかし、美しすぎる両目は紛れもなく彼女のものだ。
この時俺は17年生きてきて初めて、運命の赤い糸というものを信じた。そして、これからの学校生活に胸を弾ませずにはいられなかった。