私だけドキドキしてバカみたい。
竜二だってドキドキすればいいのに。
なんて思いながらちらりと隣に座る竜二を見ると、ミルクコーヒーの缶を開けて、喉へと流し込んでいた。
ごくんと動く喉仏。
なんだか色っぽいと感じてしまう。けど……、少し眉間にシワをよせながらいつもと違う飲み物を、ミルクコーヒーを片手に飲んでいるからなんだか見ていて面白い。
竜二の真面目な見た目からしてもブラックコーヒーしか似合わない(と勝手に思っていた)。
しかも雷龍の鬼の副総長と言われている竜二が。
ミルクコーヒーを……。
「ぷっ」
思わず吹き出してしまった。
だって、本当に竜二にミルクコーヒーが似合わないから。
「…おい」
怪訝そうに私を見る竜二。
「そこまでミルクコーヒーが似合わない男がいるんだなーって思っただけだから気にしないで」
「…誰のせいでこうなったと思ってるんだ」
「さっき“たまにはいいか”、とか言ってたのはどこの誰だったかしら」
「……」
竜二は、はぁとため息をひとつついてからミルクコーヒーを一気飲み。