すると、
「…悪いな。京子との約束がある」
左右の腕にくっついていた女の子の手を振り払う竜二。
吉田さんは、すごく悲しそうな表情。
それから、竜二は私の手を取って。
すたすたと早歩きで歩く。
私が歩くのが遅いのか、ぐいっと強く手を引かれる。
だから、私は反射的に早く足を動かした。
え?
え?
え!?
…て……
……手!!!
手繋いでるんですけど!?
あの女の子たちから離れてくれたのはいいけど……この状況もかなりヤバいんじゃ……
私たちに集まる視線。
それを竜二は気にしないで、体育館を出た。
それから無言で廊下を歩いて歩いて……。
昇降口にある自販機の前に連れてこられた。