……ごめんね、花莉。
さっきは“花莉のために作った”って言ったけど……半分は嘘なの。

半分嘘で、半分本当。




「京子!!すごく美味しい!!ありがとう!!」




ぱああっと瞳を輝かせて、次々に入れて置いた小さなフォークでマフィンを食べてくれる花莉。

すごく可愛い。




「良かったわ」




花莉が幸せそうに食べる様子を見ると、私まで幸せな気持ちになる。
写真を撮ってアルバムに収めたい気持ちをおさえて、自分のスマホを操作。

詩優へメールを送信した。




朝、詩優から頼まれていたことのその報告。
頼まれたこと、それは……

花莉の下駄箱の中と机の中を確認して、何かが入っていたら全て取り出すこと。




さすがに世界No.1の暴走族の総長の彼女に手を出す男なんていないと思っていたけど…

確認したら、下駄箱と机の中に手紙が一通ずつ入っていた。




名前は両方とも書いていなかったから誰からのかはわからないけど。命知らずな男たちね。