私は買った衣装のまま店を出た。
 何だかホントにお嬢さまみたいになった気分である。

 その後はお昼ゴハン。
 ゴハンって言ってはいけないのかなー?
 高級レストランでオシャレなランチなんだから。
 これもハリスのおごりなんだけど。

「ちょっとハリス」

「うん、何だい?」

「洋服とかバッグとか靴、ランチも全てアナタが支払ってくれたけどイイの? 悪いような気がする」

 ハリスは私の頬を手で撫でながらニヤリと微笑む。

「エレナ、今日の君は良家のお嬢さま。そのお嬢さまをもてなすのが僕の役目なんだから。支払うのは当然だろう?」