「俺にとって大切な人なのかな?」

「ま、そう言う事。ところで午前中の体力テスト、どうだった?」

 今日は午前中、体力テストが体育館で行われたのだ。

「まあまあだったよ。凛の方は?」

「私もまあまあだった」

「ムカついたなー」

「何に?」

「テストの時に黒沢が俺にぶつかって来たのに謝りもしなかった事」

 今では俺は真由を『黒沢』と苗字で言うになった。

「ケガしたワケじゃないんでしょう?」

「軽くぶつかって来たからケガはなかったけどね」

「ならイイじゃない? そんな事は忘れようねー」

 俺は勢いで黒沢の悪口や愚痴、不満を言った。