「しっかりしなよ!」

「…」

「落ち込んでばかりいないで! 男らしく気を強く持つ!」

「…そう言われてもなー」

 今はハンパじゃないぐらいの寂しい状況だから気を強く持てって言われても、そんな気になれないのだ。
 そして美咲ヶ丘さんは俺をしっかりと抱擁し始めた。

 最初は俺はビックリしたけどね。でも不思議と何の違和感もない。
 初対面の異性のコから抱擁されると変な感じになるハズだけど、美咲ヶ丘さんに関してそんな思いが湧かないのだ。
 身体が触れられて当然?

 そんな感覚である。
 しかも心が癒される。

「癒して上げるから、友だち以上の付き合いしようねー」

「う…、うん」