腕を組み怪訝な眼差しで俺を見る真由。

「信じられないなー」

「本当だったら!」

「これ以上…え?」

 言い終わらないうちに俺は真由の腕をつかんだ。
 気味悪そうなビビッた表情で真由は逃げようとした。

「一緒に登下校した事も忘れたのか真由!」

 俺は必死な思いで真由に思い出してもらうと強く迫った。

「離してよ」と抵抗する真由。

「真由!」

「離してって!」


 強引に手を引いた真由は俺の膝に足蹴りをした。
 以前、怒った浦本が高尾に足蹴りした時と同じ状況を俺が味わったのだ。
 これが又、痛いのなんのって。
 真由はそのまま逃げてしまった。

 今の様子も浦本が見ていたとは俺は気付く由もなかった。