今のセリフに教室内が凍り付いてしまった。

「ちょっと真由! 今の言い方って!」

 久保が驚いた表情で俺たちの所へやって来た。

「実際にそーじゃない! ボーッとして、真剣にやろうとしない!」

「だからと言って!」

「マジでムカつく!」

 真由は声を荒げて俺に非難の言葉を浴びせる。
 さすがの俺も、心に怒りの火が燃えないハズがない。

「目を覚ませよ真由ッ! 誰かにマインドコントロールされているのかッ!?」

 俺はこう、激しく言うと荷物をサッサとまとめて帰宅の途に着いた。
 この時の真由、自身の心の中で激しい動揺が起きているなんて俺は知る由もなかった。