魔法人形じゃないか?

 堀田は呆然とした表情で人形を拾い上げて見つめた。
 同時に俺は硬直状態から解放された。

「テメェ!」

 カッカしている俺は堀田の前に歩み寄った。
 俺の顔を見上げたと同時に拳を振り上げ、強烈な一発パンチを喰らわす。

 勢いで堀田は地面に倒れ込んだ。

 魔法なんて全く使えない俺もケンカなら堀田に勝てる自信はあるのだ。

 かかって来いよ堀田、相手になってやるぜ。

 俺は今、マジでムカついているからな!

 …こんなハイテンションな気持ちで俺はボクシングの態勢を取った。