この時、既に浦本はスマホを操作し始めていた。

「由香里に電話してみるわ」

 エイルさんが奈緒さんに話しをした。

「奈緒さん、ちょっとテレビを使わせてよろしいでしょうか?」

「え? テレビを?」

「奈緒さんが目を離していた時の妹さんの様子を、時間をさかのぼって追跡映像化してみせたいと思うんです」

「うーん?」

 よく分からないまま奈緒さんが許可すると、エイルさんはリビングの大画面テレビに向かって手をかざし始めた。
 口で何か呪文らしき言葉を唱え始める。